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よた話の２〜４

よた話の２　『ヘコ！』の誕生論

　アニメ『パーマン』一有名なフレーズといえば、やはり「ヘコ！」だろう。何がすごいって、原作にまで擬音として採用されているのだから。
　では、この「ヘコ！」はどこから来たのか。同人誌のためにビデオを回していて、あることに気が付いた。放送当初、「ヘコ！」はほとんど使われていない。初登場は、９話の「パーマン全員集合！！」。使用者はバードマンである。それから単発的に使用され、実際に使われだすのは４０話台に入ってからだ。
　この単発的に使用された話のほとんどを書いているのが、小川健一氏。当時、『忍者ハットリくん』のスタッフの一人だった。と書くと、勘のいい方ならお分かりだろう。小川健一氏は、「ズコ！」の二番煎じを明らかに意識して「ヘコ！」を作り、それが正式に認められたので、
「ヘコ！」の使用が全脚本家に行き渡ったのだ。そうに違いない。
　なお、小川健一氏は初期の数話だけの参加で去ってしまったが、その功績は計りしれないと言ってよい。

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よた話の３　須羽ミツ夫は魚座の男

　『パーマン』の登場人物の誕生日ネタは少ない。ガン子の誕生日ネタが「１２／２２」にあるくらいだ。だが、実はミツ夫にも誕生日ネタがあるのだ。
　それはアニメ４９６話「ただいま流行バンバンボール」（１９８５／２／２６）。この話で、ミツ夫はバンバンボールを今日の誕生日プレゼントに欲しいと言い出す。私が知る限り、これ以外の誕生日ネタはない。
　となると、ミツ夫は魚座ということになる。魚座と正義の味方の相性はどうなのだろう。ちょっと考えてみた。
　（参考　ＦＵＳＯＳＨＡ　ＭＯＯＫ　星が教える　恋と運命）

　まず、魚座の基本的性格をみてみよう。

　占星術なんて、当たるも八卦、当たらぬも八卦なのだが、結構ミツ夫と符合する面が多い。特に、上の五つはドンピシャと言ってもいいだろう。ただし、これは長所と短所を内包しており、「情に厚く」というのは、厚すぎて人の頼みを断れないというのに繋がり、「感性に富んでいる」というのは、傷つきやすいという面も持つ。
　ここまで来ると、スミレとの相性占いなどしてみたいのだが、私の記憶には引っかからない。ミチ子は原作にネタがあるので４月までは絞れる（あ、でも雑誌だから実際は３月なのかな）。ユキはアニメ４２３話にネタがある。これによると１０／１２なので天秤座だ。ただ、個人的にはあまり天秤座っぽくないと思う。
　まあともかく、２／２６はミツ夫のバースデーという説を私は採りたいし、広めたいと思っている。
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よた話の４　『パーマン』コミックス紹介

　閉鎖された「葵座」に寄稿していた物をサルベージしました。
　一般人向けの『パーマン』コミックス紹介です。

タイトル：パーマン
作者:藤子・Ｆ・不二雄
出版:小学館　コロコロ文庫
全５巻

　藤子・Ｆ・不二雄の代表作として紹介されながら、長らく品切れになっていましたが、ようやく文庫になりました。ただし、時代の趨勢によって、ネームの手直しがあるのが残念です。

あらすじ

さえない少年須羽ミツ夫が、宇宙人バードマン（超人）と出逢い、三人の仲間とともに、地球の平和を守るため活躍する、という筋ですが、１９６７年と１９８３年の二度に渡って漫画化されており、趣が違う作品をつなげているため、多少無理があります。
　１９６７年版は、世界の秘境探検や、死の商人国家や全ギャド連といった悪人たちを相手の爽快な冒険アクションが主体です。
　１９８３年版は、冒険アクションがやりにくくなった時代のせいか、パーマンがミツ夫の友人たちや市井の人々の問題解決をするという路線に転換しています。

大田康湖さんの感想

　二つの『パーマン』を根っこでつなげているテーマは、二つあります。

　一つは、「ミツ夫の成長誕」。
　ミツ夫の底辺に流れるピュアな人類愛こそが、彼をヒーローたらしめているというテーマは、「パーマンはつらいよ」等で語られ、 最終話で宇宙留学へ旅立つバックボーンとなります。
　もう一つは、「星野スミレ」。
スターとパーマン３号の顔を持つ少女が、正体を明かさずにミツ夫を翻弄していくなかで、次第にミツ夫に惹かれ、最終話の書き足しで、ミツ夫にだけ正体を明かすという筋書きは、１９８３年版のテーマとも言えるでしょう。

　二つの作品を繋ぐ架け橋となった『ドラえもん』の「めだちライトで人気者」（てんとう虫コミックス２４巻収録）も、機会があればご一読ください。

ＰＳ．小学館版では、５号の存在が抹殺されています。中央公論社『藤子不二雄ランド　パーマン』（全１２巻）もご参照ください。
１９９９年６月５日

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