P･P･S･Svol.5-1

前作までのあらすじ

　１９６０年の東京、朝鮮戦争時の韓国と、二度のタイムトラベルに行ったパーマン達が現代に帰ってきたのは、ミツ夫小六の冬のことだった。

　それから約一ヶ月後、ミツ夫は４人組の男に拉致される。実は、彼等はパーマン達の留守に地球に来ていたガザン星人の先発隊だった。アルマイトに助けられて無事脱出できたが、こうして彼等は、ガザン星人の地球侵略計画を知ることになる。

　その年の六月、４人は青木ヶ原樹海に宇宙船の編隊が飛び込んでいくのを見る。
　バードへ研修に行っていたアルマイトの代理になったエクタルは、そこにガザン星人の基地があるのを突き止めた。彼は、各地に散らばっていた５人の地球所属バードマン（エクタル、アルマイトを加えて７人）を集め、基地壊滅に乗り出す。
　計画は成功し、アルマイトが１号をかばって負傷した他は、たいした被害もなかった。
　その後、４人は地球代表として、バードで行われる全体会議に出席し、最優秀パーマン賞を受ける。
　だが、いいことばかりではなかった。入院していたアルマイトから４人は、彼が負傷全快後、ガザン星に赴任することを聞かされる。初めは信じられなかった４人も、しまいには再会を約束して別れる。
　こうして地球へ戻った４人だが、１号には半年後、リーダー研修のためバード星へ留学することが決まっていた。

〈注〉この作品では、４号の年令を他のパーマン達と同じにしてあること、また、時期を一九八七年としてあることをお断わりしておきます。

【前編　ミツ夫編　その1】　１．旅立ちの時

　１月　３日（火）（＊１）　晴

　今年の冬は、やけに暖かい。パーマンとしては大助かりである。今日も特に大きな事件もなく、僕は家に帰ってきた。
　その代わり、パトロールの帰りに、僕はノートを３冊買ってきた。黒と茶と青の表紙のやつだ。
　僕はコピーにそれを見せると、次のような事を提案した。
　「君も知っての通り、僕は今夜留学に行く。向こうで１００日間、つまり地球の暦で言えば、４月終わり頃まで暮らす訳だ。その間、起こったいろんな出来事を全部覚えとけって言ったって無理だろ？　だから、このノートを渡すから、留学の間、これを日記帳代わりに使って、帰ってきたら僕が書いたのと交換しようと思うんだけど、どうだい？」
　「うん、僕は別にかまわないよ」
　コピーはそう言ったので、僕は青いノートを手渡した。

　今は午後１１時４０分。もうすぐ約束の午前０時だ。今度は全体会議の時とは別のコースをとり、地球近くの星系を見学しながら行くというので、とても楽しみだ。

＊１　　昭和６２年